【沈む東京】

午前4時40分に始発のベルが鳴る
俺は頭を抱えて奈落の夢を見る
落書きされた塀の壁に花が咲いている
俺は涙をこらえて街をさ迷っている

バイト仲間のムハンマドは食える肉を探し
俺は空を見上げながらアッラーの笑みを聴く
団扇太鼓を叩いて座り込む出家僧
俺は頭を叩いてめり込むヴィジョンを問う

片言の日本語で身の不幸を嘆くマリア
俺は息を止めながら美しい瞳をのぞく
だけどマリアは故郷とイエスの愛を持ち
俺は空虚な未来と空虚な自分だけ

吃音症が治らない彼は今日も歌い
俺はあくびをこらえて彼の歌を口ずさむ
登校拒否を続けて彼は時間を取り戻し
盗聴行為を続けて奴は自分を取り替える

ジュンは世界革命戦争をいまだに信じてる
俺はメランコリーな論争で暇をつぶしてる
愛は解脱を求めて今日も瞑想の日々
俺は脚立を探して今日もリペアの毎日

午前0時15分に終電のベルが鳴る
俺は頭を抱えて無限の夢を見る
塗り替えられた塀の壁で花が枯れている
俺は涙をこらえて明日の空を飛ぶ

(作詞・作曲:築秋雄)


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